トルコ航空の派遣社員の首切り問題を機に、客室乗務員(CA)の待遇が話題になっている。華やかなイメージが強く、相変わらず女性の就職人気は高いが、ネットでは安い収入への不満、肉体労働のきつさが指摘されている。
最初契約社員として採用されるのが一般的
客室乗務員(CA)の待遇が話題となったのは09年1月29日。派遣社員としてトルコ航空で働いていた女性客室乗務員が会社、派遣先を相手に雇用継続を求める裁判を起こした。
フライトが少なかったこともあり、給与が時給1200円、年収およそ220万円と少なかったため、派遣乗務員13人は労働組合を結成。待遇改善を求めて団体交渉を申し込んだところ、会社側は契約を解除した。これに対して、派遣乗務員は解雇通告の無効、雇用継続を訴えた。
これが一つのきっかけとなり、夕刊フジは09年2月9日の記事で客室乗務員のさびしい「フトコロ具合」を指摘した。日本航空インターナショナルの有価証券報告書(2008年3月末時点)によると、客室乗務員の平均年収が618万円(平均年齢37.1歳)だった。前年と比べ、平均年収は9%近く減ったという。
また、全日本空輸が489万円(平均年齢30.5歳)。新興航空会社のスカイマークは309万円(平均年齢26.4歳)。スカイネットアジア航空は279万円(平均年齢27.2歳)としている。年齢差による収入の差ではあるが、バブル期には年収1000万円ともいわれ、「花型」だった客室乗務員。それに比べれば、収入は意外と少ないというのだ。
もっとも、国内の航空会社に入社した客室乗務員は通常、最初契約社員として採用されるのが一般的だ。時給1000円程度で働き、3年後には実績を踏まえた上で正社員となる。契約社員時の平均年収は200~300万円ほどといわれている。
「欧米じゃ完全に肉体労働的なポジションだよね」
年収の少なさを裏付けるかのように、ネット掲示板には不満が書き込まれていた。
「日系だと学生のアルバイト以下の給与(契約の時は時給1000円以下!)そして女性の多い特殊な雰囲気の環境、イジメ、腰痛、健忘症、うつ症状・・・と身も心もボロボロになる人が圧倒的に多いのでCAの仕事の魅力を感じる前に2年くらいでやめて結婚してしまう日本人がすごく多い」
「40代前半のバブリーマン世代やもっと上の人たちはよくわからないが20代後半~30代前半が就活する時期には、客室乗務員はひどい安月給の契約・派遣になっていて、『私、客室乗務員しかなかった・・・』と暗い顔して友達に報告して、みんなで頑張ってフォローしてるようなそういう印象しかない」
「世代が上にいけばいくほどイメージがいいんだろうけどね。もう今の大学生や新社会人くらいで客室乗務員に幻想もってる奴なんか皆無だろう」
いずれにしろ、客室乗務員は「安月給での重労働」というイメージが強いみたいだ。また、日本では花形イメージがやはり強いが、「欧米じゃ完全に肉体労働的なポジションだよね」という指摘もある。
このような状況に対して、ある航空関係者は、
「(客室乗務員は)たしかに離職率の高い職業ですね。ただ、辞める人も多ければ入って来る人も多いのも事実。客室乗務員の倍率は依然として高いですし、人気職業であることには変わりありません」
と話している。