「どれほど怒っていたかは想像に難くない」
「小泉発言」後も、「推進派」議員からは、続々と執行部批判の声があがっている。会合に出席した国会議員18人の動向を見ただけでも、山本一太参院議員は12日夜ブログを更新し、
「公の席で他の政治家を滅多に批判しない小泉元総理の口から、麻生首相に対する『厳しい批判の言葉』が次々に飛び出した。 しかも、TVカメラとペンの前で! 『どれほど怒っていたか』は想像に難くない!(ひやあ!)」
と、小泉発言の「破壊力」に驚いてみせたのを皮切りに、派閥内での「降格」が指摘されている中川秀直元幹事長も
「日本はいま、100年に一度の経済危機に直面して、自民党が55年の結党以来の危機にあり、小泉構造改革路線が頓挫する危機にあるという3重の危機にある」
と、執行部が進める「見直し路線」を改めて批判。
伊藤達也元金融相に至っては、
「郵政民営化の根幹を変える総理総裁を私たちは選んだわけではありません。逆にいえば、それに触れる発言が出たということを極めて深刻に受け止めざるをえません。本当に自民党は大丈夫か、これで終わるんじゃないかという危機意識を持つべきです」
と、「『麻生降ろし』の意図がにじみ出ている」との指摘も出かねない文面だ。なお、伊藤氏のブログでは、「小泉発言」前の2月11日には、麻生首相の「多くの国民の中で4分社化を知っている方はほとんどおられない」との発言に対して、
「怒りを通り越して、ただあきれるばかりです」
と、「小泉発言」と同様の表現で失望感をあらわにしたばかりだ。
小泉氏は、発言の中で
「政治で一番大事なのは信頼感。特に総理、総理の発言は信頼がなきゃ選挙は戦えないんです」
と、半ば「今のままでは戦えない」との考えを表明してもいるが、党執行部の「解散戦略」は、全く見えないままだ。