「どれくらい宣伝効果があるのかは、はなはだ疑問」
グーグルが公表しているガイドラインでは、「ページの検索順位を操作することを意図したリンク」などを禁止している。今回のキャンペーンは、この部分に抵触、検索順位の操作に当たると判断されたものとみられる。
数年前には、ブロガーが企業から報酬をもらって商品などを宣伝する「ヒモ付きブログ」の炎上が相次いだのは記憶に新しいところだが、ITジャーナリストの井上トシユキさんは、この手法自体の有効性に疑問を投げかけている。
「ブロガーにカネを払って宣伝する『ステルスマーケティング』という言葉が登場して、しばらく経ちましたが、ブログが『個人メディア』だとすれば、その方向もあり得なくはないと思います」
と、「口コミマーケティング」自体は悪いことではない、とする。
ただ、
「どれくらい宣伝効果があるのかは、はなはだ疑問です。例えば雑誌記事でも、端っこに『PR』とかって書いてあると、どんなに記事の内容が良くても『どうせ広告なのか』と、一歩引いた目で見てしまうものです。これと全く同じことです。グーグルも、『もっと正面からやればいいのに』って思うんですけどね」といい、「伝統的な広告手法の方が効果が上がるのでは」との見方だ。さらに、
「ここ数年、日本のブログ文化は進化した感じがしませんよね。結局人気があるのは、芸能人の動向ばかり。世界情勢について語ったブログで注目をされているものは、本当に数えるほどしかありません。このような下地を活用した『口コミマーケティング』というのは、早くも曲がり角に来ているのではないでしょうか」
と、媒体としての「ブログ社会」のあり方にも悲観的だ。