「日本が米国の消費に頼っていたツケが回ってきた」
日本の景気について、日銀の門間局長は「足元の落ち込みは米国よりもはるかに急だ」と指摘している。国際通貨基金(IMF)によると、2009年(暦年)の主要20か国の経済成長見通しは、中国が6.7%でトップ。米国はマイナス1.6%、日本はマイナス2.6%で第17位。日本より下位なのは、英国(マイナス2.8%)と韓国(マイナス4.0%)だけだ。
世界的な金融危機の震源地である米国(第13位)よりも、日本経済が悪化しているが、その理由を第一生命経済研究所の主席エコノミスト・熊野英生氏は、「たしかに金融は日本より米国のほうが傷んでいるが、いまの景気悪化は日本が米国の消費に頼っていたツケが回ってきたようなもの」と説明する。
米金融機関の経営悪化によって景気後退、消費悪化。それが日本の輸出減少につながり、製造業の設備投資への意欲を冷やした。「米国の景気悪化がダイレクトに伝わってしまった」(熊野氏)という。
特効薬はなかなか見当たらないが、国が公的資金などで、輸出企業をはじめとした大企業を支援するしかないところにきている。