まだ食べられるのに廃棄 「賞味期限」が生む壮大なロス

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賞味期限3か月残っていても店頭に置けない

   賞味期限とは別に、流通業者は販売期限を設定している。製造日から賞味期限までの期間を、(1)製造業者から流通業者に納入されるまでの期間(2)流通業者による販売期間(3)消費者が購入して消費するまでの期間、という3つで3等分にするのが習わしだ。「3分の1ルール」と呼ばれている。

   製造日が2月1日で賞味期限が9か月間ある場合、納入期限が5月1日まで、販売期限が8月1日までとなる。賞味期限が3か月残っているにもかかわらず、店頭には置けなくなってしまう。農水省食品リサイクル室の担当者は、

「商品の特性に関係なく、製造、流通、消費者の持ち分を単純に3等分にしたもの。製造業者と流通が連携して商慣行を取り払い、売れるものは売っていく必要があります」

と話している。

   同省では08年8月から6回にわたり、食品関連業者による「食品ロスの削減に向けた検討会」を開いている。

   製造と流通の2者間で話し合いは進んでいるが、前出の全日本和菓子協会の専務理事は、こう訴える。

「賞味期限の偽装事件などで食の安全が一層求められるようになりつつあります。それ自体はいいことだと思いますが、問題なのは消費者が食べられるのか、食べられないのか、自分で見極められなくなっていることです。昔だったら、賞味期限を過ぎた豆腐をボールに水をはって保存し、毎日水を取り替えれば1週間は持つ、といったことは、家庭で普通に教わるものでした。ところが最近の消費者は賞味期限が絶対で、ちょっとでも過ぎれば捨ててしまう。消費者も含めた3者間で取り組むことが大事だと思います」

   ちなみに、農水省の調べによると、家庭から出る食品ロスは約1100万トン。食品関連事業者の800万よりも多い。

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