府民感覚と大きくずれる 校長たちの「超エリート校」反対

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   府立高校から学力レベルの高い10校を選び、「進学指定特色校」にするという「超エリート校構想」が大阪府で浮上している。2011年の実現を目指し、09年6月までに指定校が決まる。府民の間では「私立に比べて学費が安い公立で難関大学を狙える」とおおむね好評だが、府立高校校長の7割が「反対」しているという。なぜか。

「東大」「京大」「阪大」への進学率、2割増やす

   大阪府教育委員会は2011年の実現に向けて進めている教育改革の一環として、府立高校から10校を選び、「進学指定特色校」にするという構想を09年1月30日に発表した。難関大学への進学には、公立よりも私立の方が有利とされる現状を変えるのが狙い。東京大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、早稲田大学、慶応大学への進学率は府立全体で年間1000人だが、2割以上増やすという。テレビや新聞で「超エリート校構想」と報じられ、注目を集めている。

   府民の間では、「私立に比べて学費が安い公立で難関大学を狙える」「選択肢の幅が広がる」といった賛成意見が多いようだ。

   一方、府立高校校長の7割が、「反対」している、と09年2月3日付け「毎日新聞」大阪朝刊が報じた。同紙は府立高校の校長144人にアンケートを行い、71人から回答を得た。「進学指導特色校を導入することに賛成ですか」という項目に対し、「反対」が68%と圧倒的に多い。その理由は「学校間の格差が広がる」17%、「公立高のあり方にそぐわない」54%、「その他」27%となっている。

   橋下徹・大阪府知事はこの結果を知り、09年2月3日に行われた記者会見で、「なんでこんなに府民感覚と違うのか」「校長連中はわかっていない。公務員組織の最大の欠陥だ」などと怒りを露わにした。さらに「僕にはできないが、どうやって(校長の)首をとばすか」という仰天発言も飛び出した。

   知事の発言について賛否はあるが、それはさておき、現場で反対しているのはなぜだろうか。

   ある府立高校の教頭はJ-CASTニュースの取材に対し、こう語った。

「百数十校ある府立高校のうち、進学校は1割程度。それ以外の学校はどうなるんでしょうか。最近、知事は学力だけを重んじるかのような発言をしていますが、疑問を感じます」
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