週刊新潮敗訴「社長にも責任」 編集に口出しすべきなのか

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新潮社側の敗訴が続き、次々に損害賠償支払い命令

   週刊誌報道などを巡る訴訟では、もちろん、新潮社側が勝訴するケースもある。が、最近は、同社側の敗訴が度々報じられている。2009年に入ってからも、楽天や野中広務元衆院議員、演歌歌手の藤あや子さんが訴えた訴訟で、次々に損害賠償支払いを命じられているのだ。

   東京地裁判決のように、社長がもっと責任を持つべきなのか。

   ジャーナリストの佐々木俊尚さんは、判決には否定的だ。

「社長が口出ししたら、報道の自由が毀損されてしまいます。メディアには編集権の不文律があり、編集はやはり独立して、編集長が責任を持つべきです。社会の公器としての報道機関の役割を考えると、営利事業とイコールにはなりません。研修などには、有効性があったためしはないですし、コストもかかり過ぎます。経営者個人にまで責任を負わせると、メディアが萎縮してしまう危険性もあるので、おかしいと思います」

   つまり、経営責任追及は、ひいてはジャーナリズムの終焉につながってしまうとの考えだ。

   ただ、社会がマスコミに対して厳しい目を注ぎ始めた中では、雑誌編集者は、もはや昔のやり方だけでは通用しないことを自覚すべきだとする。

「かつては、伝聞に基づく、ニュースソースのはっきりしない記事が社会で認められていました。しかし、今はそういう時代ではありません。編集者は、取材のソースを報道で明確にする努力が求められています。もっと、時代状況を認識すべきですね」

   一方、週刊新潮編集部では、「全く納得できない判決なので、即刻控訴する」とだけコメントしている。

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