「もう国や会社には頼れない」 不況で関心高まる会社員「副業」

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会社勤めをしながら、週末だけのスモールビジネスも

   副業がメーカーなどを中心に容認されたケースは、過去にもある。ITバブルが崩壊したときだ。

   富士通では、2002年9月から翌年6月まで、今回と同様な理由から、交代制の勤務者を対象に副業を認めた。このほかにも容認メーカーが出て、日立製作所では、2001年11月から期間限定で、ワークシェアリングを実施した国内3工場の従業員約2000人に対し、アルバイトなどの副業を例外的に認めた。

   ただ、不規則な勤務形態などもあって、利用しにくい面があるようだ。富士通では、IT不況のときばかりでなく、今回も実際に副業する人はほとんどいないという。また、富士通や三菱自動車工業では、あくまで例外措置であり、全社員にまで副業を認める予定はないとしている。

   不況長期化でメーカーなどに副業容認が広がっても、多くの社員がそのメリットの恩恵を受けるというわけではなさそうだ。

   もっとも、副業する人やそのサービスを受ける人の視点から見れば、話は違ってくる。週末起業フォーラムの森英樹さんは、こう指摘する。

「副業は、働き方の多様化を実現してくれます。また、サービスを受ける消費者のためにもなります。副業は小遣い感覚なので、サービスを安く売れるからです。その結果、市場を顕在化させて経済の活性化につながります。独立しなくても、会社勤めをしながら、週末だけのスモールビジネスというのもありでしょう」

   週末起業フォーラムには、転職が難しくなった35~40歳からの入会が多いという。「会社の中で行く末が見え、別のやりがいを求めて、転職の代わりに副業で収入を増やしたい動機が多いようです」と森さん。副業としては、中小企業診断士を目指す通信講座を作ったり、自己啓発セミナーの講師をしたりと、教える仕事が人気という。このほか、手作り品を作ってネットオークションで売るなどの例もあるそうだ。

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