「もう国や会社には頼れない」 不況で関心高まる会社員「副業」

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   不況で賃金切り下げの動きが強まる中、収入を補う「副業」が関心を集めている。就業規則で認めていない企業が多いものの、社員から要望を受けるなどして副業を容認するメーカーも出始めた。このまま不況が続けば、副業は当たり前になるのか。

「副業を持って、収入補てんしたい」

   土日などを利用して起業を目指す民間の会員組織「週末起業フォーラム」。それを運営するNPO法人のチーフコンサルタントの森英樹さんによると、ここ1か月で、独立準備以外の動機で入会する人が増えている。

「副業を持って、収入補てんしたいというんですね。もう国や会社には頼れないと言います。中には、もうリストラされた、派遣先で1、2か月後に雇い止めされる、といった切羽詰まった方もおられます。就職難の影響で、大学生も増えていますね」

   週末起業フォーラムでは、2008年末ごろまでは月に30人ほどだった入会者が、50人ほどにまで急増しているという。

   副業志向の背景には、メーカーが次々にワークシェアリングに踏み切るなどして、正社員の待遇までが悪化していることがある。ただ、副業や兼業については、就業規則で原則禁止にしている企業が多い。もし、無断で副業していることが発覚すれば、就業規則違反に問われることになる。

   厚労省の監督課によると、副業をどうするかは、企業と労働者の契約で決まり、法的な規制はない。ただ、労基法で定められた労働時間を超えて働かせることはできない。企業が副業を認めていないのは、業務に専念させたいことや、労働時間管理の都合、情報漏えいの防止などの理由があるとみられている。

   ところが、社員の待遇悪化で、会社側に対し、「副業を認めてほしい」との要望が強くなっているようだ。富士通では、グループ内の4工場で09年1月から、従業員5450人の大半に当たる交代制の勤務者を対象に、副業を容認した。ワークシェアリング実施による賃金減少を、アルバイトなどで補ってもらうための例外措置だ。また、三菱自動車工業の水島製作所(岡山県倉敷市)も、1月に独自の判断で、技能系社員約60人に副業を認め、約40人が軽作業などのアルバイトをしている。

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