首相に歯向かう人事院総裁 どうしてそんなに「偉い」のか

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渡辺元行革担当相「官僚機構を代弁」「オール霞ヶ関の防波堤」

   谷公士総裁は、旧郵政省出身で、郵政次官を退官後に、総務省の外郭団体の理事長、衛星通信会社会長などを歴任。その後、人事院人事官になり、2006年4月12日付で総裁になっている。いわば、エリート官僚を地で行くような経歴なわけだ。

   自民党を離党した渡辺喜美元行革担当相は、09年2月3日放送のフジテレビ系「とくダネ!」で、谷総裁が官僚機構を代弁しているとの見方を示した。

「人事院というのは、オール霞ヶ関の防波堤になっているんですね。だから、谷総裁のバックには、オール霞ヶ関の守旧派官僚たちがしっかり後押しをしている」

   一方、経産省出身ながら「脱藩官僚の会」設立に参加した慶應義塾大の岸博幸教授は、谷総裁は官僚の親玉というより、人事院に操られているだけとみる。

「谷さんは、まじめな人で、信念に基づいて正論も言っています。それを回りが利用しているんでしょうね。人事院の官僚たちが、階級ごとにポストなどを割り当てる級別定数の決定権が内閣府に行ってしまうのを防ごうと総裁に言わせているわけです。人事院は、給与勧告などぐらいしか目立ちませんし、民間企業との接触が少なく、権限がなくなれば自分たちの天下りに使う材料がなくなってしまいますから」

   人事院の企画法制課では、オール霞ヶ関の防波堤という指摘については、

「まったくの誤解です。われわれは、公務員を見張る役をしており、むしろ厄介視されているほどですから」と反論する。また、「自分たちの天下りを守りたいということはありません。天下りの仲介にも関与しておらず、天下りはうちとは別の問題です」

と話している。

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