旅行者向けの口コミサイト「トリップアドバイザー(TripAdvisor)」が、世界の人気ホテルランキングを発表した。9つあるカテゴリーのうち、TOP100ラグジュアリーホテル部門では、並み居る日本の超高級ホテルを押さえて、「ザ・プリンス・パークタワー東京」がランクインした。いったいどんなホテルで、その人気の秘密は何か?
都内の人気高級ホテルをおさえてのランクイン
トリップアドバイザーは2009年1月28日、世界のトップホテルランキング「トラベラーズ チョイス アワード2009」を発表した。このとき、ネットでは清潔感での評価が低い「汚いホテルランキング アジア編」ばかりが注目されたが、「ラグジュアリーホテル」部門のトップ100のうち、88位には日本のホテル「ザ・プリンス・パークタワー東京」がランクインした。都内にも多くの高級ホテルがある中での唯一のランクインだ。
都心の人気高級ホテルといえば、たとえば、ガイドブックの「ミシュランガイド東京2009」には、「ザ・ペニンシュラ東京」「ザ・リッツカールトン東京」「グランド ハイアット東京」などが『5+』で「豪華で最高級」の評価とともに掲載されている。一方の「ザ・プリンス パークタワー東京」は『4』の「最上級の快適さ」との評価だ。また、宿泊予約サイト「一休.com」の東京ホテルランキングでは25位(09年2月2日現在)と、どこでも上位人気のホテルというわけではなさそうだ。
ところが、前出の口コミサイト「トリップアドバイザー」での評価は高い。東京23区の人気ホテルランキングでは1位を獲得。国内外からの旅行者を中心とする利用者からは、次のように書き込まれている。
「部屋は銀座を見下ろす素晴らしい景色」
「部屋からくつろぎながら眺める夜景は最高でした」
「目の前には大きな東京タワーがきらきらしていてとってもロマンチックな時が過ごせました」
東京タワーの下、絶好のロケーション
「パークタワー東京」は東京港区の芝公園内、東京タワーのちょうど真下に位置する。園内には増上寺という寺があり、もみじ谷があり、桜がある都心にしては珍しい緑あふれる場所。オープンしたのは2005年で、西武ホールディングスの子会社に当たる、プリンスホテルが運営している。
33階建てのホテルの室内は、3階~18階がパークフロア(一部屋、3万4000円~)、2階と19階~31階はエグゼクティブフロア(同、5万2000円~)となっている。また、28階は女性のためのレディースフロアを、32階はロイヤルフロアとして1泊98万円のスイートルーム4部屋を用意。そして、最上階の33階にはスカイラウンジバーやレストランがある。ここでは、東京タワーと東京の夜景を一望できるという。
魅力は、なんといっても絶好のロケーションにある。通常、都心のホテルは商業ビルと一体化しているケースも多く、窓を開けると目前にはビルだけしかない。見晴らしが非常に悪いこともある。しかし、「パークタワー東京」には、まわりを遮る建物がない。そのため、部屋からでも東京の夜景が一望できるのだ。東京タワー側に位置している部屋からは東京タワーを、反対側はレインボーブリッジを眺望できるという。
また、都心へのアクセスがよいのも人気の理由だ。同ホテルの外国人客はおよそ3割。都心のプレイススポット――六本木や銀座にも繰り出しやすいので、便利だ。
「ザ・プリンス・パークタワー東京」の営業戦略室・梶原聡さんも、人気の理由を「ロケーションがよい」ことを挙げている。
「夜景が楽しめるだけでなく、近所には増上寺がありますから、海外のお客さまは日本情緒を感じられることでしょう。実際、公園を散策される方も多いです。また、(部屋からの景色が)春には桜並木が綺麗ですし、夏には東京湾の花火大会も一望できます。シーズンごとの違った楽しみ方もまた、魅力ではないかと思っております」