「家庭で携帯利用のあり方を話し合ういい機会」との声も
だが、「ケータイ世界の子どもたち」(講談社現代新書)などの著書がある、千葉大学教育学部の藤川大祐准教授は、影響は限定的との見方だ。
「現状では(アクセス制限が自動適用される)子ども名義で契約がされているケースは非常に少なく、高校生でも、保護者名義での契約となっているのが一般的と言ってもいいでしょう」
として、「今回の措置で影響を受ける中高生は少ないはず」との見方だ。さらに、
「子ども名義であっても、保護者からの申し出があればアクセス制限を解除することが可能で、『保護者に頼み込んでアクセス制限を外してもらった』というケースも多いです。むしろ、これを機に家族で携帯電話利用のあり方について話し合うこと自体に意味があるのでは」
とも話している。
また、EMAの認定を受けるためのハードルの高さを指摘する声もある。EMAの認定を受けるためには「基本方針」「監視体制」「ユーザー対応」「啓発・教育」の大きく4つの分野、合計では22項目のすべてをサイトが満たすことを求めている。具体的には、24時間の監視体制などを整備することなどが必要とされ、サイト運営者には、それなりの負担を求めている。
一方、前出の藤川准教授は、「ENAの認定基準は厳しいかもしれないが、基本的にはそれで良いのでは」との立場で、
「子どもに安心して利用させるためには、相応の厳しい基準が必要。中には、(EMAの認定基準のハードルの高さから) 認定をあきらめるサイトも出てくるでしょうが、今後は『一定のコストを負担して安全性を確保できるサイトだけが青少年の利用にふさわしい』という考え方が常識になるべきです」
と指摘している。