売却されるのは日興アセットから?
一方、日興アセットは、株式公開を目指していたが、株価低迷で早期上場は困難になっている。このため、業界は「売却されるのは日興アセットから」(大手証券)という観測がある。
日興社内では、シティの完全子会社になってからわずか1年で売却候補になったことや、徹底した成果主義を持ち込んだシティに対する反発は強い。「シティに振り回されるよりも、国内の金融機関の傘下で攻勢に出たい」(中堅社員)などの声も広がり始めた。
ただ、シティは日興コーディアルグループ(現日興シティHD)を完全子会社にするために総額約1兆5000億円を投入しており、今の市況で日興を売却しても巨額の売却損を出すのは避けられない。「数年間は売却せず、市況回復を待ってから売却する」との見方があるが、日興が証券業界の再編の目であり続けることは間違いない。