トルコ航空で派遣社員として働いている客室乗務員13人が2009年1月29日、解雇通告は無効であるとして、同社と派遣会社に対して雇用継続を求める裁判を東京地裁に起こした。そのうち2人が東京都内で会見し、「会社には人間として扱ってほしい」と訴えた。
「時給1200円の勤務」待遇改善を求めたら解雇
トルコ航空の客室乗務員は「最近の派遣切りのニュースはひとごととは思えなかった」と話した
訴状等によると、トルコ航空の日本人客室乗務員は、航空業界専門の派遣会社「TEI」から派遣されてフライト業務に従事していたが、給与は時給1200円、年収で約220万円と、トルコ人正社員の約3分の1にすぎなかった。月収10万円以下のときもあるため、秘書など別の仕事をして生計を立てている乗務員が多いという。また有給休暇もなく、雇用保険や社会保険にも加入していない状態だった。
そこで派遣乗務員13人が労働組合を結成し、トルコ航空に直接雇用と待遇改善を求める団体交渉を申し入れたが、トルコ航空は団交を拒否したうえ、09年2月末で契約解除することを派遣会社に通告。それを受けて、派遣会社は09年1月、日本人乗務員全員に解雇を通告した。
これに対して、乗務員たちは解雇通告の無効を主張。「トルコ航空が採用条件を設定し、乗務訓練などを行っていたことから、実質的にはトルコ航空と直接の雇用関係にあったといえる」として、トルコ航空との雇用継続を求める裁判を東京地裁に起こした。