効果があったとしても、副作用の危険
プエラリアは、医薬品的な効果をうたえば、薬事法違反になる。実際、それを含む健康食品を無許可で販売していた化粧品販売業者が1999年11月に神奈川県警に逮捕されるなど、過去にいくつかの摘発例がある。このケースでは、「飲むだけでバストが大きくなる」などと豊胸効果をうたっていた。
ただ、医薬品扱いではないことが、かえって消費者を分かりにくくさせている面があるようだ。兵庫県の業者は「豊胸効果がある」などとプエラリアを含んだ加工食品を売り出し、県から薬事法に抵触するとして2001年10月に文書で指導を受けた。その後は、改めたものの、現在も販売サイト上で、女性ホルモンのバランスを崩しがちな女性を強力にサポートする、などと「効果」を臭わせるような表現で食品をPRしている。
なぜ、プエラリアは医薬品扱いではないのか。
国立健康・栄養研究所のサイトによると、その効果については、更年期症状の緩和を示唆する報告があるだけで、十分な情報は見当たらないとある。つまり医薬品として承認するまで研究が進んでいないということだ。
とすると、やはり「豊胸」の効果がないということか。
同研究所の研究員は、「女性ホルモンに似た作用をする成分が含まれているのは事実で、その成分を多く摂取すれば効果があるかもしれません。まだ分かっていないことが多いんですよ」と話す。
とはいえ、食品にかなりの量の成分が含まれていれば、効果があったとしても、逆に副作用の危険があるとする。「濃縮物なら、化学物質と捉えるべきです。女性ホルモンのバランスが崩れると、乳がん、子宮がんになることもあります。実際に、プエラリアを摂取して、肝機能障害や貧血が起きたという報告があります。健康被害に注意した方がいいですね」