「連絡を受けた時、正直、頭の中が真っ白になりました」
就職活動に関する情報サイト「みんなの就職活動日記」には、「面接取り消し」を受けた学生のものとみられる悲痛な書き込みが並んでいる。例えば、こんな具合だ。
「臨床開発職は世間に数多くあれど、サノフィのvalueで働くことができる臨床開発職は、サノフィにしかない。サノフィでしか実現できない夢もあると思う。
連絡を受けた時、正直、頭の中が真っ白になりました。
切替えに時間がかかるかもしれませんが、また心底働きたいと思えるような会社を探したいと思います」
「いままでの選考に費やしたお金・時間・労力を返してほしい。何も最終まで呼んどいて。景気が悪いからと言って本社フランスの言いなりになる、最悪最低の会社だと思います」
掲示板上では「フランスの本社の意向で採用中止が決まった」との声がある一方、同社では「今回の採用中止は、日本法人の判断によるもの」と説明している。
前出の同社社員も、
「開発職は高倍率なだけに、応募者は会社への思い入れも強い。さらに、製薬会社を受ける人は、製薬会社しか受けない人が多く、今後の活動が心配だ」
と、同情的だ。
文部科学省が09年1月23日に発表したところによると、全国の大学や短大を卒業予定の学生のうち、753人が09年1月5日までに内定の取り消しを受けたことが分かっている。それ以外にも、「内定辞退を示唆」「採用時期の後ろ倒し」など、企業から何らかの連絡を受けた学生も456人にのぼっている。
今回の「最終面接取り消し」のようなケースを踏まえると、今後も、就職活動の環境が厳しくなるのは間違いなさそうだ。