「定額給付金」いつもらえるの 年度内難しく5、6月?

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   麻生内閣の目玉政策にもなっている「定額給付金」について、ネットでは「いったい、いつもらえるの?」という疑問が多く出され、支給時期に関心が集まっている。総務省では年度内を目標に掲げているが、それは難しいようだ。また、自治体ごとにばらつきもあり、5、6月にずれ込むところも出そうだ。

年度内給付は「努力目標」にすぎない?

   1人につき1万2000円(65歳以上、18歳以下は2万円)が支給されるという定額給付金。2月1日を基準日に住民登録されている人や外国人登録原票に登録されている人が対象だ。

   「Yahoo!知恵袋」には、「定額給付金っていつもらえるのですか?」などという支給の方法や時期に関する質問がたくさん書き込まれている。

   関連法案を含め3月中旬に国会を通過する見込みが高いとして、総務省は準備を進めている。

   ところで、国会で決まっても給付金の配布には、各市町村区議会での決定が必要なことはあまり知られていない。給付時期についても自治体にゆだねられており、事務作業の進み具合によって異なってくる。未だ経験したことのない業務で、かなりの作業量となることから世帯数の多い自治体では、作業が遅れることが予想されている。

   1月22日放送のTBS系情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」で、同番組が東京23区と17の政令指定都市に行った給付時期に関する書面アンケートの結果によると、「年度内に支給する」と答えたのは、足立区、品川区、江東区、中央区の4区のみ。「4、5月に支給する」と答えたのは、練馬区、葛飾区、渋谷区、杉並区、豊島区、新宿区、中野区などで、ほとんどが「未定、検討中」と答えた。38の市と区が回答した。

   30万世帯、67万人が給付対象となる江戸川区。番組アンケートでは「未定、検討中」と答えていた。区役所企画課の担当者は、こう話している。

「国会で予算、関連法案が通ってから区議会で決議し、進めるというのが通常の流れです。一方で、申請書類を印刷業者に頼み上がってくるのに1か月かかるほか、事務作業は相当な量になり時間を要すると思います。数社の業者からの提案は受けていますが、区議会で予算が決まらない限り契約も進められません」

   45万世帯、85万人が対象となる世田谷区も給付時期は未定だ。政策企画課の担当者はその理由について、こう説明する。

「国からの情報が何もないので、動きようがありません。担当の課も決まっていません。人員、作業する場所をどうするのか、といった課題を整理している段階です」

   一方、番組アンケートでは年度内に給付すると回答していた品川区役所区民課。

「あくまで努力するということでして、3月中旬に法案が通るというスケジュールですと、難しいかもしれません」

総務省「遅れが出てくるのは仕方ないですね」

   「国会で成立しなければ動けない」という意見が多い中、足立区は定額給付金担当課を立ち上げ、6人の職員が業務にあたっている。

「30万世帯が対象となりますが、印刷所に印刷、封筒作りを依頼して上がってくるのに1~2か月間を要します。それから申請書に宛名を打ち出すのに4~5日、封入封かんに10~14日かかります。国の予算が決まってから区議会で予算組みしても年度内の配布に間に到底間に合いません。そのため足立区では何かあったときのために取ってある『事務費』を回して、印刷業者との契約を進める考えです」

   万が一、給付金事業が廃案になれば補助金は支給されないので、「区長の決断がいる」そうだ。

   一方、小規模な自治体ではこんな具合だ。

   1233世帯が暮らす東京都檜原村の村民保険課の担当者は、

「何も進んでいません。対象世帯もまだ把握していません。でも、対象となる人口が少ないので、国で通ってからでも間に合うでしょう」

と話す。

   6552世帯の日の出町も、「これからつめていきます」(企画財政課)としている。

   自治体ごとにばらつきのある現状について、総務省自治行政局定額給付金室の担当者は、

「予算が取れないと動けないというのはわかりますが、申請書類の様式をどうするとか、準備できることはあると思います。しかし、大きな自治ではどのくらい作業が発生するかにもよりますので、遅れが出てくるのは仕方ないですね」

と話している。

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