25歳の春、足を止めて、寂しそうにこちらを振り向く…
ハンディカムの動画では、随所に演出の工夫がみられる。
まず、四つん這いだった女の子が、成長していく様子が、服装の変化で楽しめる。運動着や学生服、浴衣に、そして、成人式の正装、OLのスーツ姿にと、次々に「変身」する。手を叩いてみたり、風車を回したり、水たまりを飛んだり、と女の子の表情も豊かだ。
そして、高校生になって彼氏ができ、成人して迎えた25歳の春。足を止めて、寂しそうにこちらを振り向く。婚約したのだ。26歳のジューンブライドに、純白のウェディングドレスを着て、ニッコリ笑うが…。
こんな人生のドラマチックな再現に、前出の池田紀行さんも、ブログで「パパとしての自分が感じる嬉しさやせつなさとかが、これ以上ないくらいのリアリティで伝わってくる」と絶賛している。
各成長段階でさらに展開されるドラマを疑似撮影できるのが、「REC」(録画)ボタンだ。動画再生中に画面上のこのボタンをクリックすると、別のシーンがミニ動画の形で表れてストックしていくことができるのだ。「積み木タワー完成」「こっそりオシャレ」といったもので、ここでは女の子の肉声が聞ける。
「七夕に願いを」では、女の子が「かわいい子犬がほしい」と書かれた短冊を差し出すなど、親心をわしづかみにしようとする演出がここにもある。50シーンまでストックでき、竹内まりやさんの曲「毎日がスペシャル」を聴きながら、自由に再生を楽しめる。
もっとも、この不況だけに、動画の効果は未知数だ。ビデオカメラ業界は、2008年中は業績が横ばい状態だという。