RBSに4兆円 英国の公的資金まだ足らない?
折りしも、英国で4兆円もの公的資金を資本注入したロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)が1月19日、08年度通期決算の見通しで「過去最大の損失を計上する可能性がある」ことを明らかにした。
RBSは、英中央銀行のイングランド銀行が不良債権を買い取るなどの支援策を講じていることから経営破たんの心配はない。しかし、他行への公的資金の資本注入を含めると、「いったい、いくらの公的資金が必要なのかわからない」ほど、英国の金融不安は深刻さが増している。
それによってポンド安が進んで、輸出企業や大手銀行の株価が下落したことが1月21日の日経平均株価を押し下げる要因にもなった。NYダウ市場でも、金融株はおしなべて下落基調にある。
RBSの株価は1ポンドを割り込んで10~12ペンス。英バークレイズなども低水準で推移したままだ。前出の枝川氏によると、「もともと、住宅バブルの崩壊などの影響は米国よりも欧州のほうが深刻だった。RBSの件は、それが現実のものとなっただけ」という。
とはいえ、リーマン・ショックの二の舞は許されない。「オバマが先導して世界中で協力して局面を打開するしかないし、そういった雰囲気がうまれつつある」(枝川氏)。やはり、オバマ大統領に期待するしかない。