東京都内でも一戸建てが580万円でできます。こんなローコスト住宅が登場して話題になっている。地方では、525万円という住宅も登場。不況も追い風になっているようだが、こんなに安くて大丈夫なのか。
「無駄のないコンパクトな作り」
一戸建てが衝撃価格で登場
東京・西東京市にある住宅展示場。そのモデルハウスの一つ、2階建て住宅の玄関上に大きな看板がかかっている。
「本体工事価格 580万円」
間取りは1LDK、延べ床面積57.3平方メートルと狭いが、500万円台というのは異例だ。一般の注文住宅に比べれば、半額ほどにもなる。このローコスト住宅は、アーネストワン(西東京市)が、2008年11月25日から東京を含めて全国各地で売り出した。どうしてこんなに安くなるのか。
同社の住宅企画課長は、こう説明する。
「まず広告宣伝費を使っていないことが挙げられます。また、プランが決まっていて間取りが変えられないため、資材を安く調達することができます。図面を1からおこすこともありません。廊下を最小限に抑えるなど、無駄のないコンパクトな作りにしていることもあります」
以前は、建売住宅が中心だった。が、土地を持っている客から「建物だけやってほしい」と要望されたため、建て替えや土地のある人向けに08年春に開発した。不況に合わせたわけではないが、「最終的にマッチングしました」と課長。1日20~30件もの問い合わせがあり、子どものいない夫婦や独身者、借家オーナーなどが多いという。
不況下では、こうしたローコスト住宅の需要は増えてきているようだ。
熊本市のヒラキハウジングでは、ホームページ上で、九州の一部地域で新築一戸建て(平屋、3DK)延べ床面積57.34平方メートルを建物だけ525万円で売り出している。宮崎市のフランチャイズ店では、「住宅購入をあきらめるにはまだ早い」などとサイト上でPRしていた。