「販売台数の回復は再建の要」
背景には、米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題を発端とした景気悪化と、08年9月の米証券大手リーマン・ブラザーズの破たんで深刻化した金融危機により、新車販売は一気に冷え込んだことがある。特に12月に入ってからの落ち込みは激しく、12月の販売台数ではクライスラーは前年同月比53.1%減と半減。GMも31.0%減、フォードも31.6%減と年間の下落率をいずれも大きく上回った。「年明け以降もいっそう厳しくなる可能性があり、新車市場回復の先が見えない」(業界関係者)との懸念が強まる。
ビッグ3のおひざ元である米国の新車販売がさらに冷え込めば、ビッグ3の経営再建の行方に影響が及ぶのは必至だ。ビッグ3は政府支援も得て、それぞれ大規模なリストラに動き出したが、「販売台数の回復は再建の要」(業界関係者)であるためだ。GMとクライスラーは、再建計画の前提となる販売見通しの再修正を迫られるのは必至で、3月には政府や米国民が納得できる再建計画を策定できるか否かで再び山場になる可能性がある。