コンシェルジュに24時間電話がつながる
携帯電話に詳しいジャーナリストの松村太郎さんはヴァーチュについて、
「今まで日本の携帯電話は、皆が同じようなクラスで同じサービスを使うというもので、ラグジュアリーなものは欲しくてもなかった。限られた人が買うことになるだろうが、ユーザー規模の問題ではなく、今までのものとは比較できない商品だ」
と話しており、「皆がカローラに乗っていた状態に、いきなりマイバッハ(ダイムラー・クライスラー社の最上級高級車)が来る感じ」とも評する。
VERTUケータイの最大の売り物は、「コンシェルジュサービス」というサービスだ。携帯電話端末の側面には「コンシェルジュキー」というボタンがあり、ワンプッシュでヴァーチュ専門のコンシェルジュ(案内人)に24時間電話がつながる。利用客のリクエストに応え、レストランやホテルの予約などを行ってくれるというものだ。
同社ではこれまでに、約2万2000件の一流レストラン、約8000件のホテル、約5000件のフライトの予約を請け負ったほか、象1頭の調達を行ったという。同社ホームページでは、コンシェルジュが利用客の「記念日に妻に宝飾品を贈りたい」という要望に対し、妻の嗜好などに合わせて、世界の宝石店からパリの高級宝飾店ブシュロンを選び、ネックレスを取り寄せた、というエピソードを紹介している。
日本でどのような「コンシェルジュサービス」が展開されるかどうかはまだ公表されていないが、日本人向けの専門スタッフが対応する見通し。前出の松村さんは、「従来の携帯電話でも検索してお店を探すことはできるが、人にお願いするのは確実で効率が高い。一番リッチで使いやすいサービス」と話しており、「今までになかった携帯電話のサービス」がこれからの携帯電話サービスに何らかの影響を与えるのではないか、と見ている。