本当であれば早い段階で朝鮮総連に情報が伝達される
一方、コリア・レポートの辺真一編集長は、懐疑的な見方だ。
「ちょっと、聯合ニュースが『飛ばし』過ぎた面があるように思います。韓国政府も事実を確認できていないし、そもそも情報源が定かではない。韓国メディアに、北朝鮮の1週間前のトップシークレットを把握できるほどの能力があるとは思えない」
さらに辺氏は、「いきなり3男を指名した」という点を不自然に感じている様子だ。
「儒教の文化からすると、長男・次男を一足飛びにして『いきなり3男』というのは、いかにも不自然です。正男氏はピンピンしているし、健康問題が指摘されている正哲氏も、ドイツまでエリック・クラプトンのコンサートを見に行く様子が、フジテレビにスクープされている。なんだかんだ言って、元気なはずです」
また、週刊現代が08年9月、「正雲氏は交通事故で植物状態になった」と報じているが、辺氏は、この報道にも否定的な様子だ。
一方、「この報道を無視・軽視できないのも事実」とも話す。仮に報道が正しいとすれば、その背景は、やはり金総書記の健康問題にあるのだという
「金総書記が08年8月に倒れたというのは、ほぼ間違いありません。その後に公開された写真も、体の不自由さを感じさせるものです。『自分の目で判断できるうちに(後継を指名しておこう)』との考えが働いた可能性もあります」
現段階では、今回報道の「真実度」は不明なままだが、辺氏は、今後の展開については、朝鮮総連を注目すべきだ、と指摘する。
「仮に報道内容が本当であれば、労働党から早い段階で朝鮮総連に情報が伝達されます。そこから、必ず情報は漏れてくるはずです」