ソフトバンクが代理店となって、「フレッツ」を販売?
また、MM総研が08年11月に発表したところによると、08年9月時点でのNTTの光ファイバー契約の市場シェアは73.5%で、「次点」のKDDIは7.0%。光ファイバー市場は圧倒的な寡占状態だ。「仮に他社のインフラを借りて光事業をやるとすれば、組む相手はNTT」という見方もできそうだ。
そんな動きが、いよいよ具体化してきた。ソフトバンクBBは、08年12月中旬から、群馬、栃木、長野の3県の一部地域で、「Yahoo! BB 光 with フレッツ」と名付けたサービスの提供を開始した。サービス名からも分かるように、ソフトバンクがNTT東日本の光回線「フレッツ光」の販売を開始した形だ。
今後、ソフトバンク側が代理店となって、「フレッツ」の販売を全国展開する可能性もありそうだが、ソフトバンクの広報室では、
「現在はテストマーケティング(市場調査)の段階。(NTT東西と)話し合いはさせていただいている」
と話しており、交渉についても、まだ「ゴールが見える」という段階までは至っていない様子だ。
もっとも、通信回線の開放問題をめぐり、NTTとソフトバンクは、元々は「犬猿の仲」。このような状況下での「異例の提携」で、さまざまな憶測を呼びそうだ。
提携の経緯については、ソフトバンクでは
「お客様のニーズを踏まえて、自社インフラにとどまらず、広く事業展開する可能性を模索したい」
とのみ説明している。