「ヤフー!BB」が「NTT光」販売 犬猿の仲の両者提携の「なぜ?」

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   かつて街頭でADSLのモデムを大量に配ることで注目を集めた「ヤフー!BB」が、光回線事業に大きくシフトしている。同社はNTT東西のインフラを借りて光回線事業に参入したものの、苦戦。代わりに、NTT東西と代理店契約を結び、ソフトバンクがNTTの光回線「フレッツ光」を販売する方向で交渉が進んでいる。すでに、一部地域では試験販売も行われている。ブロードバンド回線におけるADSLのシェアが低下するなか、通信業界では「犬猿の仲」だった2大グループによる、異例の提携が進んでいる。

ソフトバンクの光回線サービスは伸び悩み

ソフトバンクの狙いはどこにあるのか
ソフトバンクの狙いはどこにあるのか

   ソフトバンクは01年9月、「ヤフー!BB」のブランド名でADSL(非対称デジタル加入者線)事業に参入。通信モデムを街頭で無料配布するなどして加入者数を急速にのばし、3年間で、その数は440万人以上に達した。

   一方、ADSLという技術は、さらに大容量のデータ送信が可能な光ファイバー回線が本格普及するまでの「つなぎの技術」との見方が当初から有力で、各ISP(インターネット接続業者)は光回線への参入を進めてきた。ソフトバンクも例外ではなく、04年10月には、NTTが開放義務を負う光ファイバー(電話局~加入者宅)を借り上げる形で、「ヤフー!BB 光」という光ファイバー接続サービスを開始したが、加入者数は伸び悩んだ。

   一方、08年4月に総務省が発表した「通信利用動向調査」の結果によると、07年9月時点で、自宅PCから光回線に接続している割合は前年比4.1ポイント増の31.4%だったのに対して、DSL回線(ADSLはDSLの一種)は同8.8ポイント減の18.9%。初めて光回線がDSLを上回った。

   ADSLから光回線への移行は着実に進んでいることが浮き彫りになった形で、同社が、ADSLに「しがみつく」ことは、もはや困難な状況だ。

   このような状況を受けて、ソフトバンクが08年10月に発表した08年9月中間期(08年4月~9月)の連結決算でも、ブロードバンド・インフラ事業の売り上げは前年同期比で6.5%減少している。中長期的には「ジリ貧」との指摘も出そうだ。

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