「企業の説明会に行っても採用人数を教えてもらえない」――大学3年生たちは今、就職活動に不安を募らせている。景気悪化の影響で、就職説明会は開かれても、経営方針が決まらないため、採用人数が現在に至っても公表できないようなのだ。不況の深刻化がここにも表れた形だ。
「採用人数、今年は出さないところが多い」
採用人数「非公開」で就活生の不安も募る
大学3年生のAさん(男性)は、大手自動車と金融の説明会に出席したが、いずれの企業からも採用人数が具体的に示されることはなかった。
「(企業側は)去年より増えることはない、というだけ。今年は非常に厳しいのではないか」
と不安を口にする。広告系の企業を志望している、同じ大学3年生のBさん(女性)は、「100人単位で採用していた企業も数十人まで減らしていたりする。(採用人数を)公表していない企業もあって、実際に採用があるのかどうか分からない」と漏らす。就職活動している学生にとっては「先の見えない」不安感が募る。
駒澤大学キャリアセンターの担当者は、
「採用人数は(企業の)大手、中小問わず、今年は本当に出さないところが多い。企業に聞いてみても歯切れが悪いですね」
と明かす。就職説明会はやるのだけれど、経営方針の先行きが見えないため、採用人数が現在に至っても公表できない、そんな企業も多いようだ。