定額給付金迷走やまず 「私はもらう」閣僚続々

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   この大不況で、生活支援から景気対策にすり替わった定額給付金。高給取りの閣僚も、消費に役立てるとして、次々に「私はもらう」と発言している。高所得者が受け取ることを「さもしい」「人間の矜持の問題だ」と麻生首相が言っていたのは、いったい何だったのか。

「時代が大きく変わってしまった」

「私のような人間は本来受け取るべきではないかもしれない」

   総額2兆円にもなる定額給付金の旗振り役を務める鳩山邦夫総務相。低所得者の生活支援に役立てるというその趣旨から、一度は自らの受給に否定的な考えを示した。それが一転、鳩山総務相は2009年1月6日、「受け取る」と記者団に明言したのだ。

   方針大転換があったのがこの日。麻生太郎首相が自ら、「時代が大きく変わってしまった。消費刺激という点に意義がある。ぜひ皆さん方には使ってほしいなと思っている」と景気対策に軸足を移したことを記者団に明かした。8日の衆院予算委員会でも、定額給付金は、実質GDP(国内総生産)を0.2%押し上げる効果があり、持続的な経済成長に役立つことを強調した。

   麻生首相はそれまで、高所得者は自ら辞退すべきだとして、「僕はもともと受け取る気はない」と言っていた。受給することに対しては、「さもしい」「人間の矜持の問題だ」とさえ言い放っていたのだ。それが、今度は、高所得者ももらって使えと趣旨を一変させた。自らの受給についても、「そのときになって考えたい」と前言を翻している。

   高給取りの閣僚や与党議員も、続々と受給の考えを明らかにした。自民党の細田博之幹事長が、6日の政府・与党連絡会議で、「国会議員ももらって使うべきだ」と発言したためらしい。中川秀直元幹事長は、迷走を批判しながらも、「議員も受け取ってできるだけ地元で使い、少しでも消費の落ち込みを防ぐことが大事だ」と記者団に語った。内閣スポークスマンの河村建夫官房長官も、「私は受け取る」と言明。「高額所得者は国民全体の数%なので、枝葉末節なことだ」とも述べた。

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