仕事分け合う「ワークシェアリング」 推進論突然浮上、労組側戸惑う

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「是非についてコメントできる段階ではありません」

   フランスでも00年、当時は週39時間だった法定労働時間を35時間に短縮。12%を超えていた失業率は、一時は8%台にまで回復した。

   日本のケースに目を転じると、自治体などで、正規職員の時間外手当などを削減して財源をつくり、臨時職員という雇用枠を設けるケースも散見される。一方、「緊急避難型」の代表的なケースとしては、大手トラックメーカーの日野自動車の試みが有名だ。

   同社では99年、55歳以上の約300人を対象に、1日の労働時間を8時間から7時間に減らし、年収も10%カットした。いわば「賃下げ策」の一環だ。99年当時も「戦後最悪の雇用不況」だとされており、労組側も「失業するぐらいなら、賃下げもやむなし」と判断した。

   国内でワークシェアリングが本格的に議論されるのは02年以来で、今回の御手洗氏の発言も「唐突感」が否めない。日本経団連と日本労働組合総連合会(連合)は、09年1月15日に開かれる定例会合の中で、ワークシェアリングについても意見交換する予定だ。

   ただ、連合の企画局では

「現状としては、『(ワークシェアリングを)雇用対策の選択肢のひとつとして検討してもいい』という程度です。ワークシェアリングの定義についても難しいところがありますし、まだ、その是非についてコメントできる段階ではありません」

と話しており、「全てはこれから」といった様子だ。

   今後、ワークシェアリングは春闘のテーマのひとつになる可能性が高いが、その導入にあたっては、さまざま試行錯誤が行われることになりそうだ。

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