みかんが値上がりしている。愛媛みかんは前年比3~4割アップだという。原因は、消費者が甘さを求めるなど、嗜好が贅沢になっていることにあるようだ。
2008年は「裏年」で不作
今シーズンのみかんの値段について、大手青果卸売会社の担当者は、
「出荷量が少なく、平均して前年の2割ほど上がっています。特に愛媛産は3~4割は上がっていますね」
と話す。JAえひめ中央によると、2008年の収穫量は2007年の60~70%ほどに落ち込んだとのこと。みかんには、豊作の「表年」と不作の「裏年」を交互に繰り返す性質があり、2008年は裏年に当たるのだという。
それにしても、前年と比べ収穫量が落ち込み過ぎではないのか。愛媛県の、JAにしうわ営農指導部の担当者は、
「表年と裏年の較差が顕著になってきたのは平成になってからです」
と話す。昔は、農家が枝や実を切り落とすなどして収穫差を一定に抑えることができていた。だが、90年代に入ってから消費者が「完熟」みかんを求めるようになり収穫差が広がってしまったという。
糖度が高くて甘い、よく熟したみかんを作るには工夫が必要で、樹の下に雨水をカットするシートをひかなくてはならない。樹に余計な水分が入るのを防ぎ、糖の濃度を高めるためだ。これが、樹にとっては大きなストレスになっており、次の年には体力がなくなって実がつきにくくなってしまうのだという。消費者が贅沢になった分、収穫量が減り、それが価格の高騰という形であらわれているようだ。