広島労働局長の仰天発言 「よくやった」のか失言か

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   厚労省の広島労働局長が、製造業への労働者派遣を認めた法改正を謝罪して波紋を呼んでいる。舛添厚労相の個人的発言に同調したようだが、同省では、「新たな法改正はまだ継続審議中」と話し、局長発言に困惑している様子だ。

「職を辞してでも止められなかった」

「かなり突っ込んだ話をされたので、驚きました」

   連合広島の事務局長がこう語るほどの仰天発言。それは、広島市内で2009年1月6日に開かれた連合広島の旗開きで飛び出した。広島県では厚生労働省のトップになる広島労働局の落合淳一局長が、製造業にも派遣を解禁した04年の労働者派遣法改正について、なんと「申し訳なかった」と来賓あいさつで謝罪したというのだ。

   地元でもマツダが派遣社員削減を打ち出すなど、結果として、メーカーなどで派遣切りが相次いでいることを受けた発言らしい。落合局長は、「私はもともと問題がある制度だと思っていた。しかし、市場原理主義が前面に出ていたあの時期に、労働行政の誰かが職を辞してでも止められなかったことを謝りたいと思っている」と述べた。

   ここまで踏み込んだのは、舛添要一厚労相が1月5日、個人的見解としながらも再規制を示唆し、「見直しに言及しているので、ここで言ってもクビにならないと思った」(落合局長)からだという。

   とはいえ、個人的な厚労相発言であり、政府が08年11月に国会に提出した労働者派遣法改正案には、製造業への再規制はまだ盛り込まれていない。日雇い派遣を原則禁止などとしているだけだ。政治家ならともかく、官僚の発言としてはどうなのか。

   厚労省では1月7日、J-CASTニュースの取材に対し、「私どもとしては、改正案が継続審議になっていて、審議していただくということです」と当惑している様子。局長発言についても、「特にフォローしている部局はありません」(地方課)と言う。広島労働局の企画室長も、「局長が本日はおりませんので、発言が確認できない状況です。本省の事情聴取があるかについても、状況が分からないのでお答えできません」と話している。

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