消費者は「生活防衛」に走り始めた
インフレ基調の先導役だった原油をはじめとした原材料価格は、大豆や小麦、トウモロコシといった穀物や、自動車や建設業の不振が直撃したアルミニウムなどが暴落した。
首都圏のマンション価格も「値下げ」が激しい。マンション販売業者は在庫処分に懸命で、折り込みチラシには「20%OFF」や、1000万円程度値引きしている物件も少なくない。オフィス賃料も、平均募集賃料が1坪あたり3万658円(ビルディング企画調べ、08年11月時点)と下落傾向が続き、09年は2万円台に落ちて推移しそうだ。
外食産業も値引きによるお客の繋ぎ止めに必死。ファミリーレストランのデニーズは「円高還元フェア」で一部のメニューを10%値下げ。ロイヤルホストも低価格メニューを用意した。なかでも、イタリアン料理のサイゼリアはパスタやスープの破格のメニューとして単品180円で提供する「サイゼリアEXPRESS」をオープン。マクドナルドなどのファーストフード店並みの価格を打ち出している。
スーパーなどの小売店では、「小分けサイズ」や「ばら売り」にお客が集まる。消費者も必要な分だけを買うことで生活費を切り詰めているのだ。ワンコインと適量(小分けサイズ)が「売り」の「生鮮コンビニ」の利用も増えていて、消費者は「生活防衛」に走り始めた。