「派遣切り」にあって、ネットカフェ難民化をしいられる労働者が問題になる中、ネットカフェならぬ「ネットルーム」が満室状態だ。「完全個室」なのと、24時間1800円とネットカフェより値段が安いのが魅力らしい。また、寝る場所を提供するだけでなく、利用者への就職支援活動もしている。
2畳の部屋には、パソコンの他に洗面台
平均的なネットルーム 脚を伸ばして横になることもできる(北新宿)
「ずっと満室状態が続いています」
そう話すのは、都内14エリアで70室の「ネットルーム」を運営しているツカサの担当者。2008年の4月くらいから利用者が増えだした。そのほとんどが地方の工場で寮に入りながら派遣社員として働き、職と同時に家も失った労働者で、30代後半から40代が多いという。中には、ネットルームを利用するために上京してきたものの、空室がなくカプセルホテルで待機していた人もいたという。
ネットルームがネットカフェと最も違うのは、ドアに鍵が付いた「完全個室」という点だ。元々、個人向けレンタルオフィスを改装したもので、ネットカフェよりもプライバシーの確保に重点が置かれている。約2畳の部屋には、パソコンの他にエアコンと洗面台が置かれ、常連者はここにディスカウントショップで購入した寝具を持ち込むという。
狭さからくる圧迫感さえ気にならなければかなり快適だ。料金は24時間1800円とネットカフェよりも安い。また、館内にはコインシャワーやコインランドリーも設置され、長期利用の可能な仕様になっている。実際に、オープン当初からの利用客もいるそうだ。