企業の倒産が相次ぎ、中古のOA機器やオフィス家具の引取りが増えている。ある大手リサイクル業者の場合、引取り量が数か月で1.5倍になったという。倉庫に入りきらず、新たに倉庫を借りたところもある。在庫増を反映して、中古品の販売価格も値下がりしている。
引取り量、数か月で1.5倍に増えた
OA機器を中心にオフィス家具も扱う「OAランド」。次々と運び込まれる中古品の中には、未開封の「新古品」や、2、3か月程度しか使われていない機器も少なくない。「OAランド」を運営する電脳(東京都新宿区)の買い取り担当者は、
「企業の倒産が増えて、引取量が数か月で従来の1.5倍に増えました。来年(2009年)はもっと増えるのではないでしょうか…」
と見ている。
経営環境が厳しい、不動産会社や建築関係の事務所からの引取りが多く、コピー機やパソコン、電話などが中心だ。埼玉県所沢市の倉庫に入りきらず、引取りを延期するケースも出てきている。
「溜め込んで在庫だらけになってもしょうがないので、さばいていかなければなりません」
国内に14店舗、海外に1店舗展開している「オフィスバスターズ」も同じような傾向で、引取り量が前年に比べて約1.5倍に増えた。
「不動産会社、メーカー、外資系の日本支社、金融・株関連会社からの依頼が多いです。倒産以外にも、大企業が業務を縮小するケースなどがあります」
と話すのは、天野太郎同社代表取締役。
中でも多いのはデスクや椅子で、「人を減らしているためだろう」と推測する。他には、応接セット、書庫、コピー機などで、いずれも大型で場所を取るものばかりだ。
「12月から倉庫を移転して、以前の3倍の広さになりましたが、それでもいっぱいですよ。引取りに比べて販売量はそこまで増えていないので、うまく回していかないと・・・」
と話している。