「2ちゃんねる」を海外企業に「譲渡」 ひろゆき氏の「真意」はどこに?

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   巨大匿名掲示板「2ちゃんねる」の管理人として知られる「ひろゆき」こと西村博之氏が、「2ちゃんねる譲渡」をブログ上で突然発表した。譲渡先はシンガポールに本拠地を置く企業とみられる。ひろゆき氏の狙いはどこにあるのだろうか。

FAQも書き換えられる

ひろゆき氏と今後の2ちゃんねるの関係は?(07年10月撮影)
ひろゆき氏と今後の2ちゃんねるの関係は?(07年10月撮影)

   ひろゆき氏は2009年1月2日の7時過ぎ、自身のブログに「2ch譲渡」とのタイトルの記事を掲載し、2ちゃんねるを譲渡したことを明らかにした。記事本文には、

「そんなわけで、去年は何度も海外出張して2ch譲渡の打ち合わせをしてたりもしてたんですが、ようやく譲渡完了しましたよ。。と。」

と書かれ、譲渡のために複数回、海外出張に行っていたことを明らかにしている。しかし、「そんなわけで」という文章の書き出しの割には、譲渡の理由や経緯については一切触れていない。また、記事からは、2ちゃんねるの利用法について解説したページ(FAQ)へのリンクが張られており、リンクをクリックすると、

「2ちゃんねるって誰がやってるの?」

という質問項目にたどりつく。

   この質問に対する答えとして、従来は

「永遠の19歳、うまい棒が大好物のヒッキー、ひろゆきが個人で運営してます。。。」

という文章が掲載されていた。しかし、現在は

「2ch.net is managed and operated by PACKET MONSTER INC.(『2ch.net』は、パケットモンスター社が管理・運営しています)」

と書き換わっている。

   インターネット上の住所にあたる「ドメイン」の管理情報が登録されているサイトでは、「2ch.net」の所有者として、J-CASTニュース編集部が07年2月に確認した段階では「モンスター社」という正体不明の会社が登録されていた。現在の名義は、それが「パケットモンスター社」と書き換わっている。サイトに登録されている情報によると、同社は、シンガポールに本拠地を置いている様子だ。

「2ちゃん」運営が日頃の活動の足かせに?

   著書「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)で、ひろゆき氏と対談したこともある、ITジャーナリストの井上トシユキさんは、

「正直、よく分からないところもあるのですが、(2ちゃんねるに書き込まれた内容に対する)名誉棄損訴訟が、ひろゆき氏の日々の活動にとって『足かせ』になってきている、というのは確かです。そこで、『2ちゃんねるの運営、もう、めんどくさい』となったのではないでしょうか」

と話す。ひろゆき氏は、最近では動画共有サイト「ニコニコ動画」を運営する「ニワンゴ」の取締役としてメディアに登場する機会も多く、「2ちゃんねる管理人」としての露出は、相対的には減少してきていることも確かだ。「2ちゃんねるの運営が、それ以外の活動をするにあたっての障害になっており、それを誰かに譲りたかったのでは」というのが、井上さんの見立てのようだ。

   ただ、

「『パケットモンスター』という会社が何者かも分かりませんし、(「2ちゃんねる閉鎖騒動」があった06年後半ではなく)なぜこのタイミングでの譲渡なのかも分かりません」

とも話し、釈然としない様子だ。今回の「譲渡劇」、まだまだ不明な部分が多いのが実情だと言えそうだ。

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