新聞元旦紙面が浮き彫りにした 「環境」に続く09年キーワード

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   2009年を迎えた。今年は何が注目される1年となるのか。主な全国・経済紙の元旦紙面を読み比べてみた。08年は各紙が環境問題を特集記事で取り上げる傾向があった。09年はどうか。

経済関係の連載が目立つ

2009年元日の新聞各紙
2009年元日の新聞各紙

   朝日新聞は、1面・社会面ともにトップで経済問題の連載を掲載した。1月1日1面トップ(東京最終版、以下同じ)は、08年12月31日に始まった大型連載「世界変動」の第2回。ハリウッドの映画産業が行き詰まる様子を特集した。映画作りの場が、米国からインドなどに流出している様子を追ったもので、グローバル化がもたらした影響を描き出している。初回はゼネラル・モーターズ(GM)などの事例を通じて、金融危機が中国などへ波及している様子を報告した。

   社会面トップでは、「明日を見つける へこむなニッポン」という連載が始まった。世界市場でも競争力がある日本「モノづくり」の事例が特集されている。米共和党の副大統領候補だったサラ・ペイリン氏の愛用めがねフレームが日本製だという、08年秋ごろ話題となった話などが紹介されている。

   同じく経済問題の連載を1面トップに持ってきたのが、日本経済新聞だ。「世界この先」という連載で、見出しには「危機がひらく未来へ」とある。同連載第1部のテーマは「サバイバビリティ(生き残る力)」。通期での連結営業赤字転落が確実視されているトヨタ自動車が、次世代自動車として「太陽電池車」開発を進めている、とした上で、

「サステイナビリティ(持続可能性)よりサバイバビリティが問われる時代へ。21世紀の今、パラダイムは変わった」

などとしている。ほかにも、ITバブル崩壊をきっかけにiPodが誕生したケースなどを表にまとめて「危機は発明や発見の源泉」と説いている。

   社会面では、「暮らし漂流」と題した連載が始まり、20代~30代の雇用が不安定化していく様子を伝えている。

   毎日新聞の1面トップは、新連載「アメリカよ 新ニッポン論」。08年10月、三菱UFJフィナンシャルグループが、米金融大手モルガン・スタンレーに対して約90億ドル(当時で約9000億円)の出資を決めた舞台裏を描いたもので、日米財務当局の動きを通じて、経済面での「日米同盟」のあり方を問うている。

   社会面には、連載「孤独の岸辺」第2回目が掲載されており、08年6月に東京・秋葉原で通り魔殺人事件を起こした加藤智大被告の故郷、青森県での生活ぶりを描いている。

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