運用評価損有名私大に明暗 慶大はダントツの225億円

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早稲田大は「低リスク」で運用

   他大と比べても、慶応が扱っている金融商品のバラエティーの豊富さは群を抜いている。例えば、評価損が5億5000万円にとどまっている早稲田大は、ブルームバーグの取材に対して

「(07年末の時点で)運用資産は約1000億円で、政府保証が付いている格付けの高い外債を中心に運用している」

などと回答、運用の対象を比較的絞っていることが伺える。

   慶応大は前出のブルームバーグに対して、

「現時点(08年11月)での評価損は225億円で2008年3月末決算から変わっていない」

としている。ただ、同大はJ-CASTに対しては「額は日々変動しているので、年度中の額はお答えしかねる」と、報道内容を否定した。たが、東証に上場する株式の時価総額を見ただけでも、08年3月末の時点では396兆円あったものが、11月末時点では275兆円。約3割も目減りしている。株式市場が上向かないことには、評価損を回復するのは困難な情勢だ。

   今後、慶応大は「損切りするのか」または「金融商品を持ち続けるのか」の決断を迫られることになる。

   なお、慶応大が創立150周年事業のために集めた募金は、08年12月22日現在で272億円。仮にこのまま評価損が損失として確定するとなると、寄付金の大半が吹き飛んでしまう形だ。

   慶応義塾広報室では

「長期保有・満期保有を行うことで、元本の確保をはかっていきたい」

と話しており、「損切り」の方向性を否定している。09年春の決算発表では、在学生に対してはもちろん、全国に29万人以上いるとされる卒業生など、関係者に対する説明責任が問われることになりそうだ。

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