「ネットVS毎日」の対立構図は相当根深いもの
前出の井上トシユキさんは、「毎日新聞の現場の記者には、ネットをツールとして有効に使おうという記者もいる。ネットと現実社会と橋渡しとなるような取材をして、イメージを覆すように期待したい」と話すが、ネット上では毎日新聞は常に批判の槍玉に上がり、「ネットVS毎日」の構図は相当根深いものになってきていることは否めない。
問題となったのは、毎日新聞の英語版サイト「毎日デイリーニューズ」の「WaiWai」というコーナー。「六本木の富裕層向けレストランで、弁護士が豚を獣姦し、その後料理としてその豚を食べた」という話や、ファストフードを食べると神経の中枢のコントロールできなくなりセックス依存症になるなどという説を紹介して、日本の女子高生の性の乱れを指摘する記事のほか、息子の成績を上げるために息子の性処理を勉強前に行う母親を取り上げた記事、などを7年以上にわたって配信していた。
J-CASTニュースが2008年6月20日に「毎日新聞英語版サイト 『変態ニュース』を世界発信」と題した記事でこの事実を報じてから、問題が表面化。同社は、08年6月21日に「WaiWai」を閉鎖し、6月23日には「批判をいただきました記事へのおわびを申し上げます」と同サイトで謝罪。7月20日に新聞紙上で「お詫び」と内部調査結果を掲載している。
この問題は巨大掲示版「2ちゃんねる」でも大きな話題になり、書き込みが殺到する「祭り」に発展。ネットユーザーが毎日新聞の広告主に抗議の電話をかける「電凸(でんとつ)」と呼ばれる行為も行われた。ネットユーザーが作成する「まとめサイト」などでは、「電凸」の結果、広告主がどのような対応をしたかも詳細に記され、その対応の評価付まで行われるようになった。その結果、日本語版ニュースサイト「毎日jp」の広告が激減、自社広告しか掲載されない事態にまで発展した。