「格好つけではなく本気で取り組め」
「正社員化」を具体的に求める労組が出てきたことについて、「自動車絶望工場」などの著書があるルポライターの鎌田慧さん(70)は、J―CASTニュースの取材に対し次のように答えた。
「正社員化をスローガンに掲げる労組が出てきたこと自体はいいことだと思う。しかし、格好つけではなく本気で取り組めと言いたい」
鎌田さんによると、労組はこれまで非正規雇用の人たちへの取り組みを「しなさ過ぎた」。会社側が非正規雇用を増やし、低い人件費で業績を上げることで正社員の高い賃金を維持できたという構造があり、「正社員のための」組合は、「その構造に乗っかっていた」という訳だ。「今困っている人たちが大勢いる。組合は悠長なことを言っていないで、余剰のある組合費を回すなど、きれいごとで終わらない取り組みをすべきだ」とも指摘した。
正社員と非正規雇用者の関係については「正社員を保護しすぎだ」という意見もある。正社員と非正規社員の垣根をなくし、正社員にも賃下げ、クビ切りを実施せよという人もいる。いずれにせよ、非正規雇用問題が緊急の課題として浮上していることを反映している。