地方ではすでに、セルフ・スタンドなどで90円台に突入
国内でも需要低迷から、出光興産や新日本石油などの石油元売り各社は、09年1月以降も減産体制を維持する。出光興産は1~3月期の原油処理量を、前年同期に比べて7%減らす。新日本石油は1月に前年同期比25%減、ジャパンエナジーも1~3月期で同11%減らす。
ガソリンは、価格が高騰した際に起こった「クルマ離れ」の影響が続いている。ガソリン価格が下落したとはいえ、今度は景気の悪化で消費者が財布の紐を引き締めていて、「クルマに乗ろう」というムードはない。石油元売りが減産体制を敷いても、需給バランスは崩れたままだ。
原油が1バレル1ドル下落すると、計算上のガソリン価格は1リットル0.7円値下がりする。1バレル30ドルの場合、ガソリン価格は108円程度になる。
石油情報センターの調べでは、12月22日時点のレギュラーガソリンの全国平均は1リットルあたり110.6円。首都圏では、東京都が112.1円と最も高く、最も安いのは群馬県の105.7円、次いで埼玉県が105.9円だった。地方ではすでに、セルフ・スタンドなどで90円台に突入しているところもある。
前出の宮本氏は、「ガソリン価格の最近の下落ペースをみると、計算上の価格よりも安くなりそう。1バレル30ドルになれば100円程度。競争の激しい地域になると1リットル90円割れもあるのではないか」と話す。
今後、ガソリンよりも燃費のいい軽油(ディーゼル車)が選ばれる傾向が強まっていくと、ガソリン価格はさらに押し下げられる。1バレル25ドルならば、激戦区では1リットル80円台も見えてくる。