ワーキングマザーを中心に、生き方自体にあこがれる女性は多い
そもそも、勝間和代さんがブレイクしたのは、ブログでの紹介がきっかけ。人気ブログ「俺と100冊の成功本」管理人の聖幸さんが、2007年4月19日の日記で、「社会人版ドラコン桜」と紹介した。漫画の「ドラゴン桜」が正しく勉強すればだれでも東大に受かると説いたように、正しいやり方をすればだれでもキャリアアップできると説いたからだ。
そこで紹介された「年収10倍アップ勉強法」は、その後ベストセラーとなり、これまでに17万部が出ている。出版したディスカヴァー・トゥエンティワンの広報担当者は、「インプットした勉強の分をアウトプットにすれば、それが年収に表れると提唱し、人気を呼びました。自らも、ネット上で読者やブロガーへ情報発信して、双方向的な活動をしているんですよ。ワーキングマザーを中心に、その生き方自体にあこがれる女性は多いですね」と話す。
いわば、アメリカでかつて話題になった「カリスマ主婦」のような人気というのだ。
とはいえ、ブームになれば当然、反発や批判は出てくる。前出の出版関係者は、「積極的なPRなど本が売れる努力をすることに、『邪道だ』『いいものを書けばいい』との読者の声も多いです」と明かす。経済学者の池田信夫さんからも、ブログの08年2月2日付日記で、「すべての人の生産性を10倍に上げる万能の特効薬なんかない」との批判が出ていた。
ネット上での情報発信に力を入れている勝間さんらしく、池田さんの批判については、翌日に早速コメントをブログに寄せている。
本のPRやタイトルなどを確信犯的な戦略だとして、
「自分よりも若年層を中心に、どんなにあざといタイトルでもいいから、本を手にとってもらうこと。そして、本の内容をきっかけに、自分のアタマを使うことにひとつでも多く、目覚めてもらうことです」
とその意図に理解を求めている。