米国のゼロ金利政策がどう響くか
ただ、米国のゼロ金利政策で「今後は多少投資の仕方がかわってくるでしょう」と、前出のNTTスマートトレードの工藤部長はみている。12月18日時点では、日本の金利と米国の金利が逆転したことで、スワップ金利(各国通貨ごとに違う金利の調整値)がとれなくなったからだ。
スワップ金利は、金利の高い通貨を買い、金利の低い通貨を売るとその差額分を受け取ることができる。つまり、これまでの「ドル買い円売り」の局面では、売った円よりも、買った米ドルの金利が高ければ金利分が受け取れる。それが日米の政策金利の逆転で、スワップ金利分を投資家が「支払う」かもしれなくなったというわけだ。
たとえば、12月18日時点でNTTスマートトレードの米ドル・円のスワップ金利はゼロ。つまり、買っても売ってもスワップ金利の授受はない。
なかには「円買いドル売り」のポジションを建てる投資家も出てきそうだ。それはそれで、取扱量が増えればFX業者の活況は続くことになる。