「混浴」に乗り込んでくるのは、おばちゃんかお年寄り、というイメージがあるが、最近は事情が変わってきていて、若い女性が堂々と入る姿が目撃されている。それも、「ゆあみ着」など着けずに、裸のままが多いそうだ。そのせいか、居心地が悪いと嘆く男性さえいる。混浴で戸惑うのは今や男性の方らしい。
ゆあみ着を着て入るのは、中高年の女性がほとんど
「混浴」が若い女性に人気だという情報がこのところ増えている。しかし一方で、巨大掲示板「2ちゃんねる」では、
「嘘だと思うけどなあ…唯一会った事があるのが、50前後のおばちゃん達」
「混浴に行ってもお年寄りしかいない」
などと疑問視する声が上がっている。
そこで、J-CASTニュースが、混浴を設けている、いくつかの温泉に聞いてみた。
十和田八幡平国立公園の北部に位置する一軒家宿の酸ヶ湯温泉旅館(青森市)は、総ヒバ造りの「千人風呂」と呼ばれる内湯で有名だ。混浴で、160畳もの浴室には5つの浴槽があり、300人が入れる。神経痛、リウマチなどに効くと言われ、地元の人のほか、ゴールデンウィークやねぶた祭りの時期には多くの観光客で賑わい、ピーク時は1日に約1000人が入湯する。旅館の従業員は「若い女性の利用は、昔よりも増えている」という。
浴槽へのタオルの持ち込みは禁止されているが、着たまま入れる「ゆあみ着」を売っている。
「ゆあみ着を着て入るのは、中高年の女性がほとんどです。今の若い女性は堂々と裸で入りますよ。お湯が白濁しているので、いったん入ってしまえば抵抗感がないのでしょう」
出入りの際は裸をさらさなければならないが、「それは平気」という女性は結構多いようだ。
「日本一の総檜大浴場」とPRする千人風呂があるのは、千人風呂金谷旅館(静岡県下田市)だ。弱アルカリ性、無色透明の温泉で、女性専用の木造風呂、男女別の露天風呂もあるが、泳げるほど広い混浴の千人風呂が人気だ。ここでも、
「年配の女性もいますが、若い女性の方が混浴を利用しています」
と明かす。
「女子大生が大挙して入ってきて非常に出づらかった」
「日本で唯一本物のさるのこしかけ湯が楽しめる」と謳う万座温泉湯の花旅館(群馬県吾妻郡)。青味がかった乳白色をした露天風呂は混浴で、「せっかく一緒に来たのだから」と夫婦やカップルが利用する。北温泉(栃木県那須郡)も混浴風呂があり、若いカップルがよく入っているという。
一方、蟹場温泉(秋田県仙北市)には宿から50メートルほど離れた原生林の中に混浴の露天風呂がある。「平日は中高年が多いですが、連休になると若い女性客が増えます」。女性専用となる時間帯を設けているが、混浴の方が人気が高いという。
山奥にある「秘湯」は混浴であることが多い。川原毛大湯滝(かわらげおおゆたき、秋田県湯沢市)は、上流の湧出地から温水が流れる滝壺状の温泉(野湯)だ。湯沢市商工観光課の職員は、「先日、若いカップルで入っているのを見かけました」と明かす。
ヤフー知恵袋の「混浴」についてのQ&Aには、
「混浴好きですよ。同じ湯船に浸かっている紳士的な男性達とお話することもあります」
という女性のコメントが書き込まれている。この女性にとって、温泉は「男女という垣根を越えて、同じ湯を楽しむ。リラックスしながら世間話を楽しむ」場で、裸を性的に意識する方がおかしいという。
また2ちゃんねるには、若い女性が堂々と入っていることに戸惑う男性の書き込みもある。
「田舎の混浴風呂に夜中に入っていると女子大生が大挙して入ってきて非常に出づらかった」
また、一人で入っていたという男性は、
「『なんでこいつは一人で混浴に入っているんだ?』みたいな目で見られたから、それ以来行ってません」
と嘆く。中には「男性専用湯」を作って欲しい、という意見さえみられた。