日銀の資金繰り支援策 貸し渋りへの効果あるのか

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中小企業向け融資残高は前年同月比3.2%減

   中小企業の資金繰りはさらに厳しい。 大企業より経営体力が劣り、9月の全国の銀行の中小企業向け融資残高は前年同月比3.2%減と融資の絞り込みが目立つ。年末や年度末は資金需要が高まるため、資金繰りがつかなくなる企業の続出が懸念されてきた。 日銀は10月31日に政策金利(無担保コール翌日物)を年0.5%から年0.3%に引き下げた。企業の資金調達コストを間接的に低下させる効果はあるが、年末に向けての資金繰り不安が高まる中、企業向け融資に直接回せる銀行の手元資金を拡大することが効果的だと判断した。

   ただ、大手行は株価急落で保有株に含み損を抱えて、経営の健全性を示す自己資本比率が低下した。各行は増資を急いでいるが、自己資本比率は融資額など資産に占める資本の割合なので、融資を増やせば、自己資本比率は下がってしまう。大手行幹部は「日銀の資金供給拡大だけでは融資の増加にはつながりにくい」と打ち明けている。

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