クリスマスを高級ホテルですごす家族やカップルが減っている。米国発の金融危機の影響もあって、東京都内の高級ホテルでも2008年12月24日のクリスマス・イブの予約状況では、まだ空室が残っている。円高が進行して海外旅行者が減り、国内景気の悪化で消費者の財布の紐も固い。それでも高級ホテルは、なかなか宿泊料金を値下げしない。ただ、「裏技」もないわけではないようだ。
直前になれば、1泊10万円の部屋が5万円台になる可能性も
円高の影響で海外からのお客が減り、国内景気の悪化も加わって、高級ホテルはさえない。かきいれ時のクリスマスまで1週間となって、客室にはまだ空きがある。大手旅行会社のジェイティービーによると、「首都圏全般としては、前年割れしている感じ」という。
東京都内の高級ホテルのひとつ、フォーシーズンズホテル丸の内は「円高の影響で海外からの宿泊客は例年より少なめ」という。国内も「ひどく落ち込んでいるわけではないが、個人はある程度(景気悪化の)影響が出ているし、今年はクリスマス・イブが平日なので、客足はやや鈍い」と話している。
そうなると、期待されるのは「値下げ」。しかし、高級ホテルは「高級」ゆえに簡単には「値下げ」できない。ここ数年マンダリンオリエンタル東京やリッツ・カールトン東京といった超高級ホテルが相次ぎ進出し、既存のホテルも対抗上リニューアルして客室単価を上げてしまったことも影響しているようだ。
大幅な値引きはホテルのイメージを損なうので、なかなかやりづらいといった事情も働いて、多少客足が落ちたからといって値下げできないというわけだ。
とはいえ、値下げの可能性はゼロではない。「(24日)直前になれば、1泊10万円もする高級ホテルでも、部屋によっては5万円台もある」と、あるホテル関係者は話す。
ホテルに当日直接電話するのも効果的?
ふだんからインターネットをチェックしたり、当日ホテルに電話したりすると、そういった「出物」にぶつかることがあるという。ただ、「大々的に値下げを言えないし、残っても1、2室なので、ほんとうにこっそりとやっている。電話は有効です」。前出のホテル関係者が奥の手を明かす。
宿泊予約サイトの一休.comは、高級ホテルや旅館に割引価格で泊まれることで人気がある。ホームページに掲載されている宿泊料金は通常より、すでに割安になっている。
一休.comでクリスマスの宿泊状況をみると、空いているのはフォーシーズンズホテル丸の内の「ラグジュアリークリスマス」(ダブル、夕食付き)の部屋(13万6290円)や、日比谷のザ・ペニンシュラ東京では高層階から豪華な夜景を眺めることができる一室(7万455円)、日本橋のマンダリンオリエンタル東京のクリスマス・プラン(9万8000円)のデラックスツインの部屋、などだ。
まめにネットをチェックしたり、ホテルに電話をかけてみたりすることで、割安な高級ホテルが見つかるかもしれないし、直前になれば宿泊料金も、もう一段下がっているかもしれない。