中日新聞の「死体水」報道見送り 総局長が異例の「自己批判」

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「報道の基本姿勢に欠けていたと反省しきりです」

   さらに、総局長は、異例なことに、J-CASTニュースの取材で、報道見送りは自分ではなく、担当デスクらの判断であったとして、身内ながらその判断を強く批判した。客に配慮して報じなかったことについて、「その逆で、配慮するなら、報道すべきだったということです。その時点での判断が正しいとは思っていません」と言い切る。

   自殺も見送り理由の一つになったが、鉄道自殺など社会的影響が大きいケースでは、マスコミでも報じられる。このことから、総局長は、「今回の場合は、影響が大きかったのだから、載せるべきだった」としている。

   つまり、中日新聞の現場サイドは、読者の知る権利や新聞の社会的役割を理解していなかったわけだ。

   コラムでも、総局長は、「事実を確かめた段階できちんと報道していれば、無用な不安感も広がらなかった。われわれは報道の基本姿勢に欠けていたと反省しきりです」と述べている。なお、中日では、各紙が報じ始めると、改めて取材し直し、2008年12月4日付夕刊になって、「受水槽に遺体1カ月 松阪で飲食店などの水道水に」の見出しで今回の問題を報じている。

   とはいえ、コラムでは、報道見送りが総局長の判断ではなかったことを書かなかったため、客へ配慮したとの説明について、ネット上で、「自己弁護ではないか」という内容の批判が相次いでいる。電話でも、同様の批判が数件寄せられたという。

   これに対し、総局長は、自己弁護を誤解だと否定し、「何を言われても構いませんが、コラムの読み方は違うということです。デスクが逡巡したのはいかんかった、と書きたかった。見送りは仕方ないとは言っておらず、コラムでも『裏目に出た』と書いています」と理解を求めている。

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