ネットユーザーからの収入にも期待
リクルートとの提携では、テレビ朝日は、「広告外の収入にも期待している」と明かす。実際、広告収入激減の中にあって、映画やDVDなどによる稼ぎのウェートが大きくなっている。ネットなどへ進出すれば広告外収入も考えられ、経営戦略室では、「ユーザーからも収入を得るようになるかもしれません」と言う。
さらに、ケータイなら、キャリアとの提携は欠かせない。テレビ朝日は、同様に広告減に悩む親会社の朝日新聞社とともに、auブランドのKDDIと業務提携交渉に入っている。2008年12月中にも業務提携が決まる可能性もある。
KDDIの広報部によると、ケータイでは、新聞・放送のニュースや動画といったコンテンツの有料配信などを検討している。テレビ朝日から見れば、リクルートやKDDIを通じて、ユーザーからの収入の道も開かれるわけだ。リクルートは、ケータイ・パソコンの媒体における売り上げが35%にも達しており、ネット上におけるその「メディア開発力」の活用も見込んでいる。
ただ、テレビを見ても、ネット上でのサービス利用の見通しは立たないままだ。リクルートでは、フジテレビ、TBS、日本テレビともすでに、テレ朝と同様な業務提携を結んでいる。しかし、テレビ主体の事業でさえ進んでいない。
「ワンセグ機能のある携帯電話端末は普及していますが、ワンセグの番組を見る人は思いのほか少ないようです。ですから、データ放送まで見るまでには至っていません。なかなかうまくいかず、まだトライアル中です」
と、リクルートの担当者は漏らす。これで、コンテンツ有料化や広告増による収入が見込める、というにはほど遠いようだ。