アバターは、自分をネット上でキャラクター化すること
課金収入の内訳は、キャラクターの衣装や食べ物、道具に対する課金や、「モバゲー」と同様のアバター課金などだが、同社では、その割合については明らかにしていない。グリーでは携帯電話事業者経由で課金可能なモバイル版でゲームを提供している。SNS運営会社にとっては課金しやすい仕組みだ。
広報担当者は、
「SNS連動型のゲームで、モバイルとの親和性が高いのでは」
と話す。利用者にとっては、アバターにせよ、ゲームのキャラクターにせよ、自らの分身に対する感情移入のようなものが、SNSに「カネを落とす」きっかけになっている側面がありそうだ。
こんな状況に対して、専門家からは、「正直、理解できない」との声も聞こえてくる。ITジャーナリストの井上トシユキさんは
「アバターは、ハンドルネームのように、『自分をネット上でキャラクター化する』ということなのでしょう。ただ、無料なら着せ替えをやってもいいとは思うのですが、それを利用者が何故有料でやるのかは分かりません。彼ら(SNS運営会社)からすれば、『こんなところに金脈があったのか!!』という感じですよね」
と、釈然としない様子だ。さらに、今後の見通しについては、
「SNSは、会員を増やして定着させるのが重要で、浮気されるのが困る。そのためには、今後、どのような新サービスが出てくるかが鍵で、注目していきたい」
と話す。
実際、「モバゲー」の売り上げは08年1-3月期をピークに微減を続けており、事実上の「頭打ち」状態。各社は、今後も新たな「仕組み作り」を迫られていくことは間違いなさそうだ。