国内の自動車販売が急激に落ち込んできており、自動車各社の業績悪化の可能性がいっそう強まり、減産や雇用削減の動きが加速しかねない状況だ。日本自動車販売協会連合会(自販連)が2008年12月1日にまとめた11月の国内新車販売台数(軽自動車を除く)は、前年同月比27.3%減の21万5783台。11月の販売台数としては1969年以来、39年ぶりの低水準に落ち込んだ。「消費者意識がいつ改善するかはまったく見えず、先が予測できない」(自動車業界関 係者)との不安の声が日々高まっている。
国内の非正規従業員を計1万4000人削減
11月の新車販売台数の減少率は、第1次石油危機当時の74年5月(同45.5%減)以来、34年6カ月ぶりの大きさとなった。前年同月を割り込むのは4カ月連続となり、11月の販売台数としては、89年のピーク時(51万2511台)の4割の水準にまで低落している。
特に深刻なのは、大型車や高級車だ。11月の輸入車の販売台数は同37.7%減と大幅減。燃費の悪さが販売不振に拍車をかけており、比較的富裕層でも買い替え時期を先送りしている様子がうかがえる。
一方、今夏過ぎまで続いたガソリン価格高騰の影響で、これまでは比較的堅調に推移してきた軽自動車も伸び悩みが顕著となってきた。全国軽自動車 協会連合会の調査では、11月の軽自動車の新車販売台数は同0.7%減の15万3101台で、2カ月ぶりに前年実績を下回った。特に軽トラックなどの軽貨 物車は同9.6%減と下落幅は大きく、消費者の買い控えはもはや止めようもない。
国内の自動車メーカー各社は、こうした販売減に対応するため、減産と雇用削減を急いでいる。主要メーカー12社の11月中の公表ベースの数字 をまとめると、08年度中に国内外で計189万台を減産する予定だ。減産に伴い、期間従業員や派遣社員などの国内の非正規従業員を計1万4000人削減する見通しという。