自治体には、生活保護の適用で対応するように指導
ただ、要望される側の愛知県は、若干アプローチが違うようだ。愛知県の地域福祉課では、
「(名古屋市からの要望は)過去にも何回かあった。(名古屋市周辺の)自治体には、ホームレスの方がお見えになった窓口で対応してほしい、ということでお願いしている。『名古屋に行きゃあ(行け)』はルール違反。各自治体には、生活保護を適用することで対応するように指導しており、実際、この4年半、名古屋市以外の県内自治体で606人がホームレス状態から脱却している」
などと説明。施設で受け入れずとも、ある程度は対応可能との認識のようだ。
一方、「カーアイランド」とも呼ばれる九州の場合はどうか。トヨタ、日産、ダイハツなどの工場を周辺自治体に抱える北九州市の保護課では、
「建設現場で作業をしておられた方からなどの相談はありますが、自動車関連の相談は、まだありません」
と話しており、「トヨタ・ショック」は、まだ表面化していないようだ。
いずれにせよ、今後「派遣切り」で寮を追い出されるなどして住居を失う非正規労働者が増加するのは確実な情勢で、各自治体はホームレス受け入れ対策の充実、拡大を迫られることになりそうだ。