橋下知事VS日本航空・全日空 伊丹-成田便攻防の背景に関空不振

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   関西国際空港の利用拡大をめぐり、大阪府の橋下徹知事と日本航空・全日空の意見が対立している。橋下知事は、関西圏の利用客が伊丹空港の国内線を利用して、成田空港から国際線を利用する傾向があることを挙げ、伊丹-成田路線廃止を要請しているが、航空会社側は「客のニーズに応じるべき」としてこれを受け入れない。

関空はアジアが中心で、欧米路線は開港以来減少

   橋下知事は2008年12月8日、大阪府庁で航空会社や関西空港会社の役員らと意見交換し、関西国際空港の利用拡大のために、伊丹-成田路線を廃止し、関西-成田路線に振り替えるように要請した。

   これに対し、伊丹-成田便を年間約35万人が利用することなどから、航空2社が「乗客のニーズを最優先にすべきだ」と反発。日本航空の佐藤学執行役員は、関空の不採算路線が年間100億円を超える赤字出すことなどを挙げ、「現在、大阪(伊丹)-成田便をやめて伊丹から関空に移ったら、需要を維持できない」と述べた。全日空の岡田晃執行役員も「関空の路線には、飛ばせば飛ばすほど赤字が増えるものもある」として、橋下知事の要請に否定的な見方を示した。

   橋下知事はかねてから「伊丹空港廃止」論を唱えており、08年9月には谷垣国交相(当時)との会談で「伊丹空港は邪魔」などと発言。各自治体や経済界からの猛反発から、「伊丹空港廃止」論を封印したかたちだが、1兆円超の負債を抱える関空の救済のために、伊丹空港の機能縮小が必要だと訴え続けてきたという経緯がある。

   伊丹空港は大阪・梅田から30分とアクセスも良く、国際線が多い成田空港まで国内線で移動する利用客が少なくない。一方の関空は、大阪・梅田から50~65分かかるほか、「アジアが中心で、欧米路線は開港以来減少している」(関空)という事情もある。

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